一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

  1. Home >
  2. 最新情報 >
  3. アクティビティ >
  4. コラム >
  5. 専務のツブヤキ >
  6. 「専務のツブヤキ」~最近の政治(政局、北朝鮮)、ADEC創設、Fintech~

「専務のツブヤキ」
~最近の政治(政局、北朝鮮)、ADEC創設、Fintech~

2018.03.15

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

 政治は今結構大変なことになっている気がします。国会は森友問題が炎上していると思っていましたが、近畿財務局の職員の自殺が報じられると、案の定その後すぐ佐川国税庁長官が詰め腹を切らされました。世間からは、資料の改ざんや国会答弁のウソや矛盾を指摘され散々悪者扱いされてきましたが、所詮はトカゲの尻尾切りですから、私的にはむしろ彼も被害者であり、同情を禁じえません。昨年の衆議院選挙に勝利し、盤石と思えていた現政権ですが、本問題は財務大臣の進退にとどまらず現政権の支持率に相当影響が出るでしょうから、 政局になる可能性が高くなってきた ように見えます。しかしながら、私は現政権は結構しぶといとみていますので、むしろ安倍総理の今後のダメージコントロールに着目したいと思っています。万が一、 内閣総辞職にでもなればおそらく株価は暴落するでしょうが、それはそれで今年最大のチャンス かもしれないと思う次第です。

 また、北朝鮮については以前から米朝間で武力衝突はない、あるとすれば北朝鮮指導者の排除か、米朝間の平和条約の締結しかないと思っていました。今年の年頭所感でも「サッサと北朝鮮と平和条約を結んで根本的な解決をしてほしいものです。」と書かせて頂いたわけですが、にわかに、 南北首脳会談にとどまらず、一挙に米朝首脳会談の可能性までも高まってきました 。ただ、その後のティラーソン国務長官の突然の解任はなにを意味するのでしょうか、後任人事を見ても米国がどっちに向いているか、、、という気がしますので、暫く見守る必要がありそうです。いずれにしろ、政府は対話のための対話では意味がないと警戒感を露わにして、あまりポジティブではないようですが、結局は拉致問題解決にもつながりますし、むしろ日本政府にとっても米朝対話の進展は根本的な解決を目指すチャンスではないでしょうか。また、これを受けて 株価には地政学的リスクの後退で好影響 が出ておりますが、暫くは政局との綱引きで相場は推移 すると思われます。それにしても、オバマ大統領はプラハ宣言で非核化を訴え世界中から称賛を浴びてノーベル賞も受賞しましたが、意外とその対極をなす現実主義者のトランプ大統領の方が 朝鮮戦争を終結させて歴史に名を残す かもしれないと思う次第です。

 先月28日に「 データ適正消去実行証明協議会 」(ADEC:Association of Data Erase Certification)が設立されました。同協議会からの委託により当協会はデータ適正消去実行証明書の発行事業を担うことになり、平成30年度は1万件の発行を目標としています。このためには、先ずはADECメンバー及びCSAJ上げて大手消去事業者への営業・働きかけをしっかりやる必要がありますが、同事業のさらなる発展のためには、国の 政府統一基準又は自治体のセキュリティガイドラインにおいてデータ消去の第3者証明が実質義務化 される必要がありますので、今後政府を始めとする関係機関への働きかけを着実に行っていくことが重要かと考える次第です。

 一昨年5月に銀行法が改正され、金融イノベーション推進のため2年以内に金融機関のAPI開放が努力義務として規定されてからそろそろ2年です。CSAJは昨年政策委員会の下にFintechWGを設置し、岡本主査(弥生)のリードの下、金融イノベーション推進のための活動をしてきました。その第一弾が昨年9月に公表した金融機関と改正銀行法で位置付けられた電子決済代行業者の間で締結するAPI接続のための契約のひな型です。現在は、Fintech協会と連携して、事実上 CSAJがFintech業界の代表として全銀協と標準的なAPI接続契約について大詰めの交渉中 ですが、金融庁の判断が鍵になります。そこでアゲンストなのがコインチェック事件です。仮想通貨がサイバー攻撃により580億円も流失しました。本件は被害者への補償も行われ始め、いずれ収束するでしょう。しかしながら、金融庁は仮想通貨取引業者に対して一斉検査に入り、ニュースによれば先日2社に早速業務停止命令が下されたとのこと。本件と現在進めている全銀協との交渉内容は本質的に異なりますが、これにより 当局 のFintech事業者への姿勢がこれまでのイノベーションの推進から厳格な規制重視へ変化することがないように願っている 次第です。

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。