一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

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「専務のツブヤキ」
~政治・政策の動向と経済産業大臣賞・U-22プロコン・CEATECを終えて~

2017.10.15

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

 前回コラムから政治が目まぐるしく動きました。あっという間に臨時国会は冒頭で衆議院解散、総選挙が始まってしまいました。私的には、先日、 経済産業省の同期の齋藤健が農水大臣になったばかりでしたので、それがリセットされたことが一番残念 でした。彼は選挙に強いので落選の心配はしていませんが、自民党の議席数次第では大臣に戻れるかどうかは微妙かもしれません。
 また、臨時国会では補正予算が審議されると思っていただけにこれも残念でした。ただ、政府筋の情報によれば、 日・EUのEPA(経済連携協定)及び人材育成を柱に内々に補正予算の検討 は行われていると聞いています。これが本当であれば、日程的には、年明け直ちに通常国会が召集され、冒頭で補正予算が審議・承認されるでしょう。CSAJとしては IT導入補助金の規模感がどうなるか が関心事ですが、税収が下振れしており、財源は限られます。大枠である ものづくり補助金(IT導入補助金はこの内数)が4桁に乗ればいいのですが、3桁であれば前回の100億円にどこまで上乗せできるか予断を許しません。
 税制改正は、経済産業省から Connected Industries(CI)税制 が公表されました。目玉はデータ連携・利活用によるレガシーともいえる大企業の基幹システムの刷新や中小企業間の共同受発注の効率化などです。CSAJの税制改正WGも役所からの色々な問合せに真摯に対応し、CI税制にはクラウドを前提とした 費用の税額控除も今回の税制改正要求に盛り込まれる など、我々の意見も反映されていますが、財務省はかなり冷めた反応のようです。 選挙が終われば、今後(11月頃か?)政府・与党への働きかけを行っていく つもりです。
 また、CIの実現には、安心してデータのやり取りができ、データの創出・収集・分析・管理に対する投資に見合った適正な対価を得ることができる環境整備が重要です。その一方で、現状では 一度不正取得されたデータが流通してしまうと民法一般を適用するだけでは差止請求が困難 であり、 裁判においてもデータが著作物と認められるケースは限定的 ですので、被害が甚大となります。そうなるとデータの社外への提供も慎重にならざるを得ませんので、政府では、データの不正取得や不正取得されたデータが流通することの抑止と被害低減のため、 不正競争防止法の改正に向けた検討が行われており、来年の通常国会に提出 される予定のようです。これに関連してCSAJにも意見照会等が来ており、しっかり対応していきたいと思っています。
 さて、10月は情報化促進月間です。幸先よく、昨年度のワークスアプリケーションズに続き、本年もCSAJが推薦した 株式会社 豆蔵が情報化促進貢献個人等表彰で見事、経済産業大臣賞を受賞 しました。同社の事業実績等の表向きの授賞理由に加え、IT導入補助金における制度設計から運用に至るまでの同社の献身的な貢献も相当程度考慮されたようです。本表彰式の後、U-22プログラミングコンテストの授賞式も行われましたが、今年の 経済産業大臣賞は中学生1作品、高校生2作品、大学1年生1作品と実質U-20 になってしまいました。昨年から始めたニコニコ動画の配信効果もあり本コンテストが世間的にも定着するとともに、作品の応募数も300作品を超えるなど、年々応募の裾野が着実に広がっているからではないでしょうか。ところで、来年度予算では、新設の 教育サービス産業室から新規に5億円の予算要求 がされており、中身はこれからITイノベーション課他で検討とのこと、是非その1%(5百万円)?でもよいので、 U-22に回してほしいなぁ と思う次第です。
 最後になりますが、今年も 10月3~6日の4日間CEATECが幕張メッセで開催 されました。2日夜のオープニングレセプションも、さすがに選挙のため安倍総理の出席は無理でしたが、世耕経済産業大臣、野田総務大臣が来賓として挨拶をされました。お陰様で家電からIoTへのシフトも定着し、マスコミにも大きくニュースで取り上げられ、 来場者数も昨年に比べ数千人増えて15万人を超えました 。また、CEATEC中に経済産業省が主催するIoTセレクションが行われ、ファイナリスト5件から、グランプリ(睡眠をコントロールする安眠アプリ)、準グランプリ(文字を自動で音声化するメガネ型端末)が選ばれました。どちらもシード期のベンチャー企業でCSAJファンドの絶好の投資対象と思われましたので、早速申請の勧誘したところ、是非応募したいとのこと。 今後ともCSAJファンドはIoTセレクションと上手く連携していける のではないかと思った次第です。

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。