一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

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「専務のツブヤキ」
2017年年頭所感 ~今年はどんな年?~

2017.01.15

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

 新年明けましておめでとうございます。
 年明け早々我が国政財界はトランプ氏のツブヤキの一挙手一投足に注目して右往左往しているところです。それとは到底比較にならない小生のツブヤキですが、今年もおつきあいのほど宜しくお願いいたします。
 年初から各IT団体の新年会に出席する機会が多く、そのたびに世耕経済産業大臣の挨拶を聞いております。ただ、どの挨拶を聞いても、団体ごとにそれぞれの事情に応じてメリハリをつけて、あそこと同じ挨拶だという印象を受けませんでした。大臣も同じ人が各団体の新年会を持回りしていることをご存じなのでしょうか、さすが!と感心する次第です。世耕大臣の新年挨拶のポイントですが、私的には 日本電機工業会(JEMA)/日本電子技術産業協会(JEITA)では電力輸出、スマート家電の進展への期待 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)ではIoTコンソーシアムの成果、デジタル貿易の推進(日EUの経済連携協定の今月中の大枠合意) 情報サービス産業協会(JISA)ではIT導入によるサービス産業の生産性向上、働き方改革(テレワーク推進を強調)、AI(人工知能:ソフトウェアが要)の進展への期待 という感じでした。それでも冒頭部分では必ず英国のEU離脱、米大統領選でのトランプ氏の当選と旧年は激動の年であったこと、今年も欧州は選挙の年であり政治的には波乱の多い年ではないかと示唆されました。幸い最近の株価はトランプラリーで日米欧とも上昇しておりますが、中国への強硬姿勢やトヨタのメキシコ工場建設への批判など、大統領就任前から同氏のツブヤキに世界中が振り回されています。相場の格言で『申酉騒ぐ』というそうですが、昨年に引き続き 今年も政治・経済ともに波乱の年になるような気がします。
 政治的には、欧州の選挙も波乱要因でそれなりに気にはなりますが、それよりもやはりアジアです。珍しく 米ロが接近し、中国が孤立することで、極東地域で緊張が高まりそう です。これが安倍総理の悲願である北方領土交渉に吉(米国の側面支援を期待?)と出るか、凶(ロシアの日本との関係改善意欲が減退)と出るかですが、凶にはできませんから ロシアとの経済協力担当でもある世耕経済産業大臣はますます忙しくなる ことでしょう。そのため世耕大臣も当分は経済産業大臣を卒業できないのではないでしょうか。
 経済的には、米国次第というところですが、トランプ氏の 経済政策はポピュリズム(白人労働者層)とウォール街(金持ち層【自分の取り巻き】)との利害バランスをどう取るつもりなのでしょうか? 今は大規模なインフラ投資や法人税減税による財政支出増に伴うインフレ期待で金利上昇・ドル高・株高です。これはウォール街に寄った成果ですが、選挙で勝利の原動力となったポピュリズム層にはあまり恩恵がないどころか、むしろインフレ(対低所得層)やドル高(対ラストベルト地帯)などは不利益です。ここがはっきりしない限り米国経済の先行きは不透明と言わざるを得ませんから、 日本経済は今年も長期金利の動向と為替・株価の乱高下で振り回される のではと予想する次第です。その意味では市場の乱高下で儲けるヘッジファンドの運用マネージャーにとっては運用成績を上げる絶好のチャンスの年かもしれません。従って、私的には 衆議院選挙はこれらの波乱要因が一段落つく年後半になる可能性が高い と予想します。
 IT業界に関しては、官邸主導で働き方改革の流れが一層強まり、 テレワークの導入推進、副業・兼業の自由化、下請け取引のガイドライン見直し 、またオールドエコノミーのIT化である第4次産業革命関係では IT導入によるサービス産業の生産性向上、IoT・ビッグデータ・AI及びセキュリティ関係の人材育成の加速化 などがホットな課題になると思われます。当協会もこれらの動向に注視しながら平成29年度の重点活動方針を見定めていきたいと考える次第です。

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。