一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

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「専務のツブヤキ」
経済産業省平成28年度第2次補正予算について

2016.09.15

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

 8月25日に平成28年度補正予算が閣議決定されました。財政支出を伴ういわゆる『真水』と呼ばれる部分は3.2兆円の規模でした。今回は私から経済産業省平成28年度第2次補正予算を眺めて会員の皆様の視点で興味がありそうな事業についてツブヤキたいと思います。以下の予算は 秋の臨時国会で予算案が通れば、遅くとも年内には公募が始まる ものと思われます。
 まず私が規模的に注目したいのは、『 地域未来投資促進事業(1001.3億円の内数) 』です。これは中心企業・小規模事業者の経営力向上を図るため、地域における革新的ものづくりや 中小企業等経営強化法に基づくIT導入 等を幅広く支援するものです。このうち『 革新的ものづくり・商業・サービス開発支援事業(763.4億円) 』では、中小企業者等が第四次産業革命に向けて、 IoT・ビッグデータ・AI・ロボットを活用する革新的ものづくり・商業・サービス開発 に対して、補助上限:3000万円、補助率:2/3で支援するとのこと。それらの内、さらに 雇用・賃金を増やす計画 に基づく取組については、補助上限を倍増、申請企業が 最低賃金引上げの影響を受ける場合 は補助上限を更に1.5倍、従って両者併せれば 補助上限は3倍【2倍×1.5倍】 )とかなり大判振る舞いです。会員企業でもユーザー企業と組んで色々な案件がこれから仕込めるのではないでしょうか。また、『 サービス等生産性向上IT導入支援事業(100億円) 』では、 中小企業等経営強化法に沿って経営力向上を支援するITシステムの導入等費用の2/3を補助 (補助上限は1千万円程度か)するとのことですので、会員企業としても見逃せない予算ではないでしょうか。
 次は『 IoTを活用した新ビジネス創出推進事業(9億円) 』です。これは各分野において、 規制・制度の見直しや業界横断的なルール形成等に向けた新たなIoTビジネスモデルの実証 を行って、世界に先駆けた事業環境を整備するものです。例えば、ホテルの自動チェックインや、個人の関心事項に合わせた情報提供など、訪日外国人の属性や行動履歴に関するデータ(宿泊、買い物、移動等)を事業者間で共有したサービスの実現に向けて、 データ様式の統一化等に関する実証 を行って、課題となる規制・制度の見直しや業界横断的なルール形成などを抽出し、 消費活動促進のための情報連携プラットフォームの整備 を行うことなど考えられます。また、(独)情報処理推進機構が、地方公共団体や企業など地域においてIoTを活用したビジネスモデルを構築しようとする主体に対し、 ITの技術・ビジネスに詳しい専門人材の派遣 IoTを活用したビジネスモデルの知見の共有化を図るための研修会 なども実施するそうです。これら事業は技術委員会のIoT推進研究会としても要フォローではないでしょうか。
 さらに、これは事業名こそIoTとあるものの実はドイツ情報通信見本市(CeBIT)対応ですが、『 IoT等連携推進事業(8.0億円) 』です。これは2017年3月に開催される CeBITに出展する企業に対して、JETROがその出展準備、装飾、広報、運営等を支援 する事業が含まれています。経済産業省の某課長によれば、 JETROから場所代は全額、上物については中小企業であれば半分程度の費用が補助 されるようです。CeBITへの出展を検討している会員企業には朗報です。
 最後は『 クレジット取引におけるセキュリティ対策推進事業(10億円) 』です。皆様のクレジットカードは既にIC化されてますか?私の所有しているカードは未だ磁気カードですが、なんと国は2020年までに、POSシステムを導入しているクレジットカード加盟店を含め、 クレジット取引の100%のIC対応化を目指す そうです。本事業はクレジットカード加盟店において、暗証番号が暗号化され不正使用しにくいIC取引を効率的かつ円滑に普及させるため、 業界単位で共同利用可能な決済システムの導入・実証 を実施するための費?を1/2補助するものです。CSAJとしてもこの動きはフォローしていた方が良いのかなと思った次第です。

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。