一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

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平成30年 CSAJ会長年頭挨拶

Connected Industriesの一層の推進に向けて

一般社団法人コンピュータソフトウェア協会 会長
荻原 紀男

 新年あけましておめでとうございます。皆様には、平素より協会の事業・活動に対し格段のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。平成30年の年頭にあたりご挨拶申し上げます。

 昨年、政治的には我が国周辺は北朝鮮によるICBMの発射、水爆実験など軍事的挑発が頻発し、地政学リスクが強く意識される一方、10月の衆議院選挙で与党が3分の2以上の議席を確保し、ますます現安倍政権は盤石なものとしました。また、企業業績の好調さを背景に、景気拡大局面が9月に高度成長期の「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目の長さとなるとともに、株価も年後半には一時2万3千円を伺う水準まで上昇するなど総じて経済的にも良い年であったと思えます。

 そのような中、政府は3月に我が国産業が目指す姿(コンセプト)として「Connected Industries」、6月にSociety 5.0 実現に向けた施策として「未来投資戦略2017」(FinTechの推進、データ利活用基盤の構築等)を公表し、衆議院選挙後の11月に、政策の基本方針として、人生100年を見据えた「人づくり改革」の断行、「一億総活躍」社会の実現(働き方改革、GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロ)などを閣議決定しました。

 以上のような動向を踏まえ、当協会も新たな取り組みを始めました。まず、昨年2月には、長時間労働の根絶、2020年までにテレワーカー率を30%以上とする「働き方改革宣言」を公表し、「働き方改革研究会」が今年3月末までにはテレワークに関するセキュリティガイドラインをまとめる予定です。

 セキュリティ分野については、当協会において人材育成に関する政策提言を行い、これを受ける形で昨年7月に経済産業省が「第4次産業革命スキル習得講座認定制度」を創設しました。認定を受けた講座は厚生労働省の指定を受ければ、受講料の最大7割を助成して頂けるものですが、当協会会員企業からのセキュリティ分野の申請が第1号として認定される予定です。また、データ消去証明推進研究会が昨年6月に公表した「データ消去証明ガイドブック」に基づき、当協会はデータ適正消去実行証明協議会(ADEC:Association of Data Erase Certification)を今年設立し、使い終わったPCなどに残ったデータの適正消去について第三者が証明し、電子証明書を発行する事業を開始する予定です。

 さらにConnected Industriesの推進のためには、IoT(Internet of Things)、ビッグデータ、及び人工知能(AI)の中核技術を学びつつ新たなビジネスの創造を行える人材の育成が重要です。当協会では昨年7月から厚生労働省の支援を得て、人材委員会、人材育成研究会、人工知能(AI)技術研究会、IoT推進研究会と連携して、当該人材を育成するための講座を開発する「高度IT技術を活用したビジネス創造プログラム」に着手するとともに、平成30年度は同講座を試行的に実施(受講者40人程度/年)する予定です。

 そして、当協会の会員ニーズとして最も高いものは、全ての会員に裨益する政策提言となっており、当協会では政策委員会の下、次のワーキンググループ(WG)が設置されました。税制改正WGの活動は平成30年度Connected Industries税制に反映されるとともに、中小企業IT活用支援WGは平成29年度補正予算に計上されたIT導入補助金の一層の浸透・拡大のための運用改善に貢献しています。FinTech WGは、会員と金融機関が対等な立場でAPIに関する契約を結べるよう契約書のひな型を昨年9月に公開するとともに、同ひな型の採用について全国銀行協会への働き掛けにも努めています。さらに今年からConnected Industries実現のため、バックオフィスを中心とした非競争領域の全体最適化をし、生産性を向上させること目的として、政策提言および調査研究を行うWGを設立いたします。

 既存の事業についても、CEATEC JAPAN 2017 では、メインテーマをIoTにシフトして2年目となりましたが、展示内容の大幅な見直しが実りつつあり、出展企業数及び来場者数ともに前年比で着実に伸ばすことが出来ました。次世代のIT人材の発掘・育成を目指したU-22プログラミングコンテストの一層拡大に努めつつ実施するとともに、IoT Lab Selection及びIPA未踏事業と連携し、革新的なソフトウェアを開発する起業家を育てるスタートアップ支援事業などを通じて、我が国におけるプログラミング人材の育成に貢献していきます。

 さらに、PSQ認証制度については、クラウド/SaaSを含むソフトウェア製品の品質について第三者が適合性評価を行うものであり、現在37製品が認証を受けております。この仕組みによって、ソフトウェア製品の購入者は、安心してソフトウェア製品の選定ができますし、ベンダーにとっては、利用者や販売代理店などに対して、自社のソフトウェア製品の国際基準に準拠した品質をアピールできますので、IT導入補助金の運用改善の一環として今後とも一層の普及拡大に努めます。

 会員企業のビジネスチャンス拡大については、引き続きアライアンスビジネス交流会を核として、優れた技術や製品・サービスをもつ有望なベンチャー企業の育成・支援を目的にビジネスマッチングの推進に努めるとともに、新たに設置した助成金等活用研究会、B to Bマーケティング研究会を通じて会員の一層の助成金の活用やマーケティング活動の啓発に努めます。

 また、当協会は、平成19年度に一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)からプライバシーマーク指定審査機関として指定を受けて以来、昨年末までに更新及び新規を合わせた会員企業の審査実績は207社(延べ792件)となりますが、今後とも本審査事業の一層の拡大を目指して個人情報保護の推進に寄与して参りたいと考えております。

 国際関係では、昨年7月にインドにミッションを派遣し、優秀なインド人IT技術者の日本への定着の可能性について調査しました。今後、この成果を踏まえ、引き続きアジアを中心として優秀な外国人IT技術者の日本への定着につながる活動に取り組んでまいります。

 Connected Industriesを実現する鍵は、それを牽引する人材の育成及びデータ連携・利活用の推進に対して、政府及びIT業界一丸となって取り組むことと考えます。そのため一般社団法人日本IT団体連盟を始めとする他のIT関係団体と連携し、今後とも当協会の各種事業・活動を着実に推進していきたいと考えています。

 また、一般社団法人日本IT団体連盟の動きに呼応するよう、この2月からIT社会推進政治連盟を立ち上げます。我が国の更なる発展のためにはIT社会に即応した関係諸制度の整備や教育変革による人材育成が急務です。そのためには多くの国会議員の皆様にご理解いただくとともに課題の解決のためにご尽力いただく必要があります。

 最後になりましたが、当協会は、経済産業省、総務省、厚生労働省、文部科学省、農林水産省等の政府機関と共に、日本のソフトウェア産業の健全な発展と日本経済の発展に寄与していきたいと考えておりますので、引き続き皆様のご支援及びご協力をよろしくお願い申し上げて新年のごあいさつとさせて頂きます。